どうも、狩井玲王と申します。
私は現在銀行や消費者金融などから800万円の借金を抱えている多重債務者ですが、「クラウドファンディングで借金返済できるかなぁ?」と考えた事があります。
ただ、結論から言うとクラウドファンディングで借金返済を目的とした資金を集める事は難しいですし、オススメできません。
私なりの見解をまとめましたので、よろしければどうぞ。
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングを紹介する記事ではないので、簡単に概要だけ記載しますが、インターネットを通じて企業や団体、個人などが資金を集める方法で、資金を必要としている人がビジネスアイディアや新商品、社会貢献に繋がるプロジェクトなどをクラウドファンディング事業者が運営しているサイトへ投稿し、アイディアやプロジェクトに強く共感した支援者から資金提供という形で寄付や支援を募ることができる仕組みになります。
起案者は(プロジェクトオーナー)は必要な資金を得る事ができる一方で、支援者(資金提供者)は自分の興味や関心を持つプロジェクトに資金を提供する事で、その見返りとして起案者から何らかのリターン(プロジェクトの成果や特典)を受けることができる為、双方にとってメリットがあります。
クラウドファンディングは利用のハードルが低い
企業、個人問わず誰でも利用ができ、集まった支援金から10~20%をクラウドファンディング事業者へ手数料として支払う為、プロジェクトを投稿するにあたって初期費用はかかりません。
よって個人でも金銭的な負担無く支援者を募る事ができ、さらに匿名でもプロジェクト投稿が可能となっています。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは、主に以下4種類に分類されます。
- 寄付型
支援者が寄付を行い起案者(プロジェクトオーナー)に資金を提供します。
支援者(寄付者)に対してプロジェクトオーナーから特典(お礼の手紙や写真)などを提供する場合もありますが、一般的に直接的なリターンは求められません。 - 報酬型
支援者(資金提供者)に対して、プロジェクトの成果物や特典(新製品の先行予約や限定版アイテムの提供など)をリターン(金銭以外)として提供する形式です。 - 株式型
投資家がプロジェクトに対して資金を提供し、その対価として企業の株式リターンとして受け取る仕組みです。 - 融資型
支援者がプロジェクトオーナーに対して融資を行い、利息や元本の返済をリターンとして受ける形式です。
クラウドファンディングで借金返済しようと考えた場合は金銭的な負担を極力減らしたい(できる限り借金返済に回したい)といった観点から、支援者(お金くれた人)に対してリターンを求められない「寄付型」が選択肢に入ると考えるかもしれませんが、「寄付型」の場合は公益的な活動を行っている団体しか利用できなかったり、個人で利用できたとしても社会貢献性の高いプロジェクトでないと審査の段階ではじかれる可能性が高いです。
世の中そんなに甘くない!
クラウドファンディングで借金返済した事例はある?
では、実際にクラウドファンディングを使って借金返済した事例があるのか?といった疑問。
結論から言うとあります。
しかも支援者へのリターンがお礼動画や手紙といったものなので所謂「寄付型」のクラウドファンディングに分類されます。
え、寄付型でもできるじゃん!
「CAMPFIRE」というクラウドファンディングのサイトで「あなたのお金で借金返したい!」といったプロジェクトを立ち上げ、実際に借金返済の為に支援者を募った事例が存在します。
参考リンク
あなたのお金で借金返したい!
アラサー独身OLで借金450万を抱え、目標金額は借金額と同額の450万円としてクラウドファンディングで支援者を募っています。顔写真は載せていますが、ニックネームで投稿しています。
支援者へのリターンとしてはお礼の動画とメッセージ、可能なら直接会ってお礼を伝えるといったもの。。
で、調達金は…
6人の支援者から33,000円
そして、同じく「CAMPFIRE」で別の人が借金返済を目的に「借金完済で人生大逆転を目の当たりにしませんか?」といったプロジェクトを立ち上げてます。
参考リンク
借金完済で人生大逆転を目の当たりにしませんか?
この方もニックネームですが、40代女性との事で512万円の借金を抱えているそうです。
目標金額はこれまた借金額と同額の512万円。
支援者へのリターンとしては、支援金で借金返済して立ち直っていく様がわかるように支援者の方だけに報告が入る。あと感謝の手紙が貰えるといったもの。。
で、調達金は…
4人の支援者から45,000円
いずれのプロジェクトも目標金額数百万円に対して調達額は数万円程度。
まぁ普通に考えて借金返済の為だけに数百万円なんて集まるはずがありません。
むしろ目標金額には大きく届かなかったものの、個人的な借金返済が目的であるにも関わらずお金を出す人がいるのも事実。
この事実がある以上、やりようによってはクラウドファンディングで借金返済も可能なのかもしれませんが、上記2つのプロジェクトを掲載していた「CAMPFIRE」のプロジェクトの審査基準が改訂されたのか、以下の通り「借金の返済金」を目的としたプロジェクトの掲載をお断りをするといった記載があります。
プロジェクトの内容が極端に特定個人の目的と認められる場合、利用規約12条(8)の禁則事項に該当するため、掲載をお断りする場合がございます。
引用元:CAMPFIREにおけるプロジェクトの審査基準
例)
・個人の 生活費 ・ 医療費 ・学費・ 借金 の返済金
・個人の遊興費
・個人の 出産費用 ・家族の 養育費用
・個人間トラブルの裁判・ 訴訟費用
・ペットの飼育費用・ 医療費用
など
よって、今は同様の内容でプロジェクト申請しても審査に通らない可能性が高いです。
結局できないのね…
ただ、上記はあくまで「CAMPFIRE」の審査基準。クラウドファンディングの事業者はたくさんありますし、海外の事業者なんかもたくさんあったりします。
何だかんだやりよう(プロジェクトの中身次第)でOKのとろこもあるかもしれません。
クラウドファンディングで借金返済はオススメできない!
で、結局のところ何が言いたいかと言うと、クラウドファンディングで借金返済はオススメできないという事です。
借金返済が目的だと審査に通らない可能性が高い
前述の通りそもそも借金返済を目的としたプロジェクト自体、審査に通らない可能性が高いわけですが、クラウドファンディング事業者は複数あり審査基準も様々かと思うので、個人の借金返済のみを目的にはせず、支援者が強く共感できるような嘘偽りのないストーリー性や社会貢献性があり、そして支援者のメリットになるような「リターン」も提供する。
クラウドファンディング事業者も調達金が集まれば集まっただけ儲かるビジネスモデルなので、「このプロジェクトは資金が集まりそう!」と担当者を唸らせる事ができればひょっとすると審査に通るかもしれません。
そういったプロジェクトを思いつく事ができれば、一度チャレンジしてみてもいいと思います。
思いついたら…
なかなか厳しいですよね…
資金を得るのに数ヶ月かかる
仮に借金返済を目的としたプロジェクトの審査に通ったとしても、プロジェクト立ち上げから準備、資金調達期間含めるとだいたい3~4か月かかると言われています。
また、それだけ時間をかけたところで目標金額に届くといった保証はありませんし、過去事例を踏まえても期待できるような成果が出るとは言えません。
匿名だと支援者の共感を得るのが難しい
支援者から強く共感を得る事ができないとそもそも資金が集まりません。
借金返済を目的としたプロジェクトの場合、なかなか本名を公開するのに躊躇すると思いますが、本名を公開するぐらいの覚悟で臨まないと信用と共感と資金は得られないと思います。
また、クラウドファンディングのサイト上でのプロフィールだけでなく、SNSやブログなども明かし、自分が自分である事をできる限り誠実に丁寧に証明していく必要があります。
クラウドファンディングも詐欺が横行(別の目的で資金を使ったり、資金の持ち逃げ、リターンを提供しない等)しているといった課題があるので、支援者側も資金提供には慎重になっています。
ネット上でいくらでも作文ができる中、匿名だと本当に借金しているかどうかもわからず、そういった不確実性がある状態で大事なお金を出そうとは思わないのが普通です。
だからといって本名を公開する事で、ネット上に「借金返済」といったマイナスの印象を持たれる個人情報を晒すリスクもあり、そのリスクに対して得られるリターン(支援金)があまり期待できないのが実情なので、割に合わないと思います。
リスクに対しての期待値が低すぎて割に合わないですね…
どうせやるなら借金返済を目的とせず、稼ぐ事を目的にする!
借金返済を目的にクラウドファンディングをするというより、稼ぐ事を目的に事業アイディアを考え、クラウドファンディングを活用して資金調達するといった考え方の方がいろんなチャンスが広がると思います。
アイディアさえ優れていれば多くの支援者に資金を提供してもらえますし、お金を借りるわけではないので与信調査も無く資金調達ができ、自己資金が無くても起業ができます。うまくいけばさらに事業拡大してお金を稼ぐ事ができるので、その結果当初の目的であった借金返済もできるかもしれません。
当たり前ですが、集まった資金を間違ってもプロジェクトとは関係ない別の目的(借金返済など)で使わないようにしなければいけません(詐欺で捕まります)。
融資型のクラウドファンディングで個人が融資を受ける事ってできる?
「融資型」と聞くと個人でも借りれるのか?なんて疑問を抱く方もいるかもしれません。
融資型クラウドファンディングの一般的な仕組みとしてはクラウドファンディング事業者が投資家から少額ずつ資金を集めてまとまった資金を作り、資金を必要としている会社や個人事業主へ融資を行う事で得た利息を投資家へ分配するといったもの。
よって、あくまで融資対象は事業に対してであり、個人に対して融資を行っているわけではありません。
まとめ
以下がこの記事のまとめになります。
私自身消費者金融などから借金800万円あり、クラウドファンディングで借金返済できないかなぁと考えた事もありましたが、上記の事からクラウドファンディングで借金返済を目的とした資金を集める事は難しいですし、オススメしないというのが結論になります。
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